サラリーマン大家に暗雲? アパート急増で利回り低下
 会社勤めをしながらアパートも経営する、サラリーマン大家さんを取り巻く環境が変化してきた。金融機関の融資姿勢は厳しくなり、アパートの急増で利回りは低下傾向にある。注意点を探った。
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 「最近、借り入れの金利負担がやや重くなってきた」。東京都の会社員Aさん(42)は気を引き締める。
 AさんはITサービスの会社に勤める一方で東京都、埼玉県、千葉県内に戸建て、アパートなど計9軒を持ち、貸し出している「サラリーマン大家さん」の顔も持つ。週末になると自ら所有物件に出向き、壁紙を張り替えたり、トイレに温水洗浄便座を据え付けたりして魅力アップに精を出す。
 9物件の総取得額は約7000万円。このうち6000万円を借り入れている。毎月の家賃収入は満室ならば87万円だ。ローン返済額や固定資産税などを差し引くと46万円が手元に残ると見込む。  気がかりなのは最近、金融機関の融資がめっきり厳しくなったことだ。これまで全額ローンで賄ってきたが「今年に入って新たに資金を借りようとしたら、10~20%の頭金を求められるようになった」。過去の借り入れの金利負担は2%弱だったが、同じ条件では融資を引き出しにくくなり、今は4~5%の金利を求められるという。Aさんは「金利負担を考慮して利回りが得られるかどうか、慎重に物件を選ぶ必要が出てきた」と話す。
 「借りすぎに注意しながら計画を立てて不動産を選び、投資する」。都内のIT企業に勤めるBさん(59)はサラリーマン大家さんとして約30年の経験を持つベテランだ。札幌市、名古屋市、東京都などに約30の区分所有マンションや1棟建てのアパートを持つ。
 低金利で運用収益が期待できないと不動産投資に目を付けた。低金利を逆手にとって物件取得の資金はほぼローンで賄ってきた。現在の資産総額は7億円、負債総額は4億7000万円程度になるという。
 そのBさんも金融機関の姿勢の変化を感じ取っている。特に地方の銀行は「全額ローンは無理。最近は10%の頭金が必要になった」と話す。手持ちの物件を売るわけにもいかず、すぐに多額の資金は用意しにくい。「しばらくは投資のペースを緩め、投資先を慎重に選びたい」と話す。

 金融機関の姿勢ががらりと変わった背景には、金融庁の監視強化がある。急増する個人向けアパートローンと郊外で増える空き家の群れに危機感を抱いた金融庁が監視を強めた結果、国内銀行の個人向けアパートローン新規融資額は急減速した。日銀によると、2017年4~6月期は前年同期比15%減だった。貸家の新設着工戸数も減っており、9月は前年同月比2.3%減と4カ月連続で前年同月実績を下回った。

 実際、借り入れに頼った不動産投資では利回りを上げにくくなってきた。資材価格に加え、戸建てやマンションの工事は人手が足りず、人件費も上昇。都市部を中心に不動産の物件価格が上がったため、投資利回りは低下している。14年7~9月期は平均10%程度とされていたアパート投資の利回りは、今年に入り9%を割り込んだ。




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