再生エネ後進国・日本、一発大逆転の新技術
 再生可能エネルギーの大量導入を支える新しい技術が登場してきた。さいたま市では、家庭の太陽光パネルの電気を離れた商業施設へ送る電力融通の実用化が間近に迫る。福島県では、仮想通貨で注目されるブロックチェーン技術を用いた大規模実証が予定されている。再生エネの導入で諸外国に後れを取る日本は、技術革新で巻き返す。

 立山科学工業(富山市、水口昭一郎社長)を代表とするグループが、さいたま市浦和美園地区の建設中の住宅街で電力融通を実証する。環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」を受託した。電力融通が始まるのは住宅が完成する19年度。住民が実際に暮らす5戸を舞台に、近隣のイオンモール、イオングループのスーパー、コンビニエンスストアの計6店舗も加わる本番さながらの実証だ。

 融通には、東京大学の阿部力也特任教授が開発した「デジタルグリッド技術」を使う。情報を振り分けるルーターと似た機能を持ち、電気のやりとりを仕切る。専用装置を設置した家庭やビル、工場をネットワーク化し、家庭で余った太陽光パネルの電気を工場へ送ったり、安い電気を探して自宅の電気自動車(EV)に充電できたりする。

 現状では家庭やビルなど需要家同士で電気を融通できない。また、どの発電所の電気を購入したのか特定は難しく、再生エネの購入手段も限られる。だがデジタルグリッド技術なら個人間の融通が可能。「だれから、どれだけ買った」といった履歴も分かり、再生エネを優先購入できる。  浦和美園では、家庭の太陽光パネルが発電しすぎた電気を商業施設へ送電して融通する。日中に電気が余りがちな家庭と、電気を必要とする商業施設の過不足を解消できる。すでに立山科学などは16年度から和倉温泉(石川県七尾市)でデジタルグリッド技術の融通機能を確認済み。冷蔵庫ほどの大きさがあった装置を小型化し、浦和美園の実証で使う。

 装置には決済機能も持たせる。あらかじめ「いくらなら電気を買う、売る」といった注文を出しておくと、自動で売買してくれる。ブロックチェーン技術も使い、浦和美園ではポイント付与で決済機能を試す。実証に協力する日本総合研究所の松井英章マネジャーは「系統への負担を軽減し、再生エネの導入量を増やせる」と期待する。

 再生エネの大量導入の障壁が、電力の需給バランスの乱れだ。再生エネ発電所から需要を上回る電気が系統に流れると、生産設備に誤作動を引き起こしたり、大規模停電を招いたりする。電力融通があれば、使い切れない電気が発生した際、電気が必要な場所に送って消費して需給バランスを保てる。系統に電気があふれず、設備への負荷を抑えられる。

 東北の一部の送電網では再生エネの電気を受け入れる容量がなくなった。設備の増強や蓄電池の設置には費用も時間もかかる。デジタルグリッド技術による電力融通を使えば、社会的負担を抑制して再生エネの導入を増やせる。




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