こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。

破格の土地価格(※ただし建築条件付き)の契約を迫られ、「100万値引いてくれるなら契約するけどォ」とSさんのシナリオに黒いインクを落とした鳥です。

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やり手Sさんの活躍

鳥

ネットから得られる公開物件相場よりも、もともと坪40万ほど安かったので、鳥も内心「無理かなー」と思っていました。

でも少しはこっちのためだけに動いてもらわないと!

鳥ばかり妥協させられている犠牲感がぬぐえないし!

さて、そんな鳥の挑戦状に対し、やり手の営業Sさんはどうしたかというと…

縦横無尽に飛び回り、

獅子奮迅の働きを見せて、

非公開物件&安価だった物件にもかかわらず、

なんと80万円値引きを獲得して来やがった。

その方法とは、

  • 隣の分譲区画もY社が仲介中。しかも別の営業くん(若造)が担当
  • 今回の物件はベテランSさんの伝手で持ってきた話だから、その営業くんに「値引きはさせるなよ」とプレッシャーをかける
  • 売手R社に「隣の区画は決して値引きさせないので、なんとか鳥夫婦の区画は値引きしてくれないか」と頼み込む
  • R社の社長と懇意の上司にも同行してもらい、何度も頼み込む

というものでした……。

どこまで本当の話か分かりませんが、80万円値引きを獲得してくれたのは事実です。

ハラハラしていた鳥夫、さらに大喜び!

 

土地契約に運命を感じる人は多い

鳥

ここまで来ると、なんか変な感覚が生まれました。

鳥の意思で決めるものではない感じ。

川面に浮かぶ一葉のように、抵抗してもくるくると乱れるだけで、結局、地縁のある土地へとつながれてしまう感覚。

思わず、空に向かって問いかけました。

「ねえ、運命って決まってるの?」

あとは鳥の気持ち次第。

困ったことにすぐには「四ツ谷がいい」という気持ちに変化がありそうにない。でもこんなに強く「流れ」を感じているのに拒絶する勇気もない。

「建築条件付きだから、いざとなったら白紙解約できるし……。とりあえず、とりあえず今は、契約しよう……」

運命に抗う勇気も持てない鳥には、最終意思決定を先延ばしにすることが精一杯でした。

 

とうとう土地契約!

鳥

土地契約の日。退社後に鳥夫と待ち合わせ、Y社へと向かいました。

Y社には、すでにR社の社長がお待ちになっていました。

営業Sさんと宅建主任さんが横につき、淡々と契約締結のプロセスが進められていきます。

現金で持参した分厚い手付金もお渡ししました。

鳥夫が、たくさんの書類に氏名を書き込んでは、印鑑を押し続けます。

契・約・締・結。

事務作業が終わり手持無沙汰の雰囲気が流れると、どちらかともなく会話が始まり、話は家の設計に。

鳥夫が「妻は注文住宅のような家が希望なので、そこだけが気がかりなんですが……」と伝えてくれました。

するとR社社長は「うちは注文住宅も手掛けていますから! やれないことはないと思っていただいて大丈夫です! なんでしたら注文住宅専門の部署の設計士もいますので、もちろん料金はかかるのですけど、そちらに設計させることもできますから!」とニコニコ笑いながら言ってくれました。

家造りの勉強をしていくにつれて、徐々に建築条件付きへの不安も強くなっていた鳥。

社長の言葉を聞いて心底ほっとし、思わず「あ、そうなんですか……。良かったあ」と漏らしました。

しかし後に、この社長の言葉は何の意味もなかったと思うことになるのですが…。

 

まさにマリッジブルー!?

Y社を後にし、電車で帰る道すがら。

鳥夫は、大きな決断をした夜に興奮しています。

山と川に囲まれる自然豊かな地方に生まれ育ち、毎晩のように「オールナイトニッポン」を聴きながら恋い焦がれた東京。

その憧れの東京に、狭小地ながらも一国の主となれたのです。

こうして多額のローンを背負う覚悟を決めるまでに、鳥夫もたくさん怖れの感情を越えてきました。

その一方で、いまいち浮かない顔の鳥……。

鳥

実は、鳥は「四ツ谷がいい」という本心を鳥夫に話せないままこの日を迎えていたのです。

間取図作成・ローン審査・契約締結などなど、それなりに前向きな姿勢がないと進められなかったので、鳥自身も自分の気持ちに蓋をして走り続けてきたのです。

いつも喜怒哀楽のはっきりしている鳥が、いまいち歓喜していない様子を見て、鳥夫が尋ねました。

「どうしたの? 嬉しくないの?」

その一言を聞いて、堰を切ったようにぽたぽたと大粒の涙が流れ落ちました。

「四ツ谷に注文住宅を建てる夢が忘れられない……。まさにマリッジブルーという感じ……。大好きな人以外と結婚するのが怖い……。将来が見えない……」

まだ帰宅ラッシュの終わっていない中央線のなかで、鳥は泣きながら告白しました。

 

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Source: 日刊住まい





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